どこを探しても晴は見つからなくて


絶望的な気分で家に戻る。




と...家の前に、立ち尽くしている


背の低い、着物姿の女の後ろ姿。




それを見た瞬間、足の力が抜けた。


それでも、無理やり足を動かして


晴に近づいていく。





そして、できるだけ淡々とした口調で


話しかける。


家の中に入ったあと、


どこに行ってたか、晴に聞かれたとき


こっちが聞きてぇよ...



とは思った。


晴のことを探して駆けずり回ってた、なんて


言ったら、晴は思いっきり自分を



責めるだろう。




だから、スーパーに行っていたなんて


わかりやすすぎるけど、嘘をついた。