「け、携帯〜(泣)」


私は携帯を手に取り、スリスリと頬にすりつけた。



会いたかったよ、携帯(汗)

もう絶対、キミをなくしたりしないからね〜





「今日残業してたろ?」





「はい!課長もですか?」

「俺は会議室を借りて、そこで残業してた。1人の方が落ち着くから…」

「そうだったんですか…」

「で、オフィスに戻ったら…床に携帯が落ちてたから、とりあえず拾って持って帰ったんだ」

「助かりました…本当……」


課長に軽く頭を下げる。




「次から気をつけろよ」

「はいっ」


課長は、少しだけ微笑んで言う。




なんだ…普段は意外といい人なのかな。

仕事の時だけ、怖いだけとか…?


そんなことを考えながら、とりあえず携帯を無事に引き取ったことを、茉莉にメールした。



うん、これでよし。


私は課長が入れてくれたコーヒーを一気に飲み干し、キッチンにいる課長に近づく…