普段俺達二人はこの広いシェルターに二人きりで住んでる為に会わないようにすれば出来ない事ではない。





トイレや風呂は、それぞれ五つずつあるし二人のルールでトレーニングルームから少し離れた音楽ルームを境にプライベートを守る為に急用がない限りは行かないと決めていた。




普通に行き来する時には内線の電話を使っていた。




酔って彼女を強引に抱き締めるまでは、二人きりだし我々は歳は離れていたが気が合った為に特に彼女の方が俺の所に来る事が多かった。





お互い色々な話しをしたし、お互い失った物が多すぎた為に二人で居ないと辛い事が多かったからだ。




俺と彼女の出会いは偶然だった。




あの夏休みに空が突然色を変えてしまった日に出会った。




久しぶりに仕事から解放されて俺は、山登りを楽しんでいた。




短いが久しぶりの夏休みだった。




俺は、離婚していて子供も居なかった為にわりと自由だったのだ。




山登りを若い頃からの趣味にしていたのが今回運良く助かった理由の一つになるとは。




山から入道雲を眺めていると空の色が変わったと思うと凄い地鳴りがして山から見える大きな街があっという間に炎に包まれた。




何が起きたのか分からなかったが、俺は、本能的に逃げ出していた。