Ending Note〜the answer〜



――時折、私は自分の理想的な死に方を想像することがあった。



大切な人に囲まれて、最期の別れの言葉を残すの。

眠るように死んでいくのが理想的だけれど、最期の会話さえできれば、息を引き取るその瞬間まで苦しんだってかまわない。



“ありがとう”とか。

“楽しかった”とか。

“幸せだった”とか。



……そんな言葉を残すの。




なのに。

蛍ちゃん。



それまで穏やかだったのに容体が急変して、意識がなくなるなんて。

そのまま、誰にも“さよなら”さえ言わずに逝ってしまうなんて。





……神様は、なんて酷なことをするんだろう。