言って渡されたのは、ピンク色のハードカバーの本。
表紙には金色の装飾文字でこう記されている。
――――“Ending Note”
「私が死んだあと、子供たちにちょっと気分転換してもらうのよ」
「……気分転換?」
「宝探し。宝のありかはもちろんトランクルーム。そこに繋がるヒントをこのノートに書いたから」
見てもいい? と了承を得て、中をパラパラめくり、ヒントを見つける。
“秘密の扉の鍵は、虎太郎と同じ秘密の場所に”
“娘と息子よ。塵となる前に見つけよ”
「……分かるの? こんなヒントで」
「大丈夫。あの子たちならきっと分かる」
やっぱり血の繋がった親子だ。
さっぱり分からないヒントに、蛍ちゃんは自信たっぷりに言ってのけた。


