――その日から私なりに自問自答して、ようやく蛍ちゃんと向き合えたのは1ヶ月ほど経ってからだった。
「静子さん。ご機嫌は直りましたか?」
「……えぇ、すっかり」
リビングのソファに座っている私に紅茶を出しながら、蛍ちゃんは相も変わらずおどけている。
「で? 私に、ガンを放置プレイしていたのを告白したってことは、それ相当の意味があるのよね? 姉上」
「あらま静子さん。本日は大変、ノリが良いことで」
こんなバカみたいに深刻な話。
蛍ちゃん並みにおどけないとやってられないから。
「もちろん。このことは静子にしか話していないから」
「……えっ?」
「手伝ってほしいのよ。私の終活を」


