「……ごめん、いま何て言った?」



いつも頼りにしていた8つ年上の姉・蛍ちゃん。

彼女が人生最大の爆弾発言をしたのは、蛍ちゃんの娘の千春に初めての彼氏ができたばかりの頃だった。



「だからね? 私さ、もうすぐ死ぬみたいなんだよね?」


「…………」



ヘラヘラと笑いながら、蛍ちゃんはご愛飲の青汁を私に差し出す。



いや、いらない。嫌いだから。


そう言って無下に断ったあと、私は呆れたように言葉を続けた。



「話があるから来いって言われたから、仕事切り上げて来たのに。つまらない冗談話だったんなら、私、会社に戻るよ?」


「ちょっとちょっと静子さんってば」



おどけた口調で引き止められるのだから、本気で帰りたくなる。