“どうやって三枝を諦めさせよう” 仕事を終えて1人暮らしのアパートに帰り着くと、僕はタバコを吸いながらいつもそればかり考えている。 同期の女子社員に頼んで、彼女役を演じてもらおうか。 ……だけど、三枝のことだ。 それでキッパリ諦めるか……微妙なところだ。 いっそのこと、“もう勘弁してくれ”と本気で泣いてみるか? ……いやいやいやいや。 逆に慰められそうだ。 “少し控えるから。ねっ?”なんて。 ――まったく。 ……なんであんなヤツに好かれてしまったんだろう。