―――“母さんは僕が守る!”
嬉しそうに母さんが話してくれた、9歳の僕が放った言葉。
なのに14歳の僕は、“うちのクソババァ、うぜぇ”なんて口癖のように言っていた。
そんな僕をヘラヘラと笑い飛ばし、気にもしていない様子の母さん。
本物のバカかと思った。
いや、思うだけじゃ足りず、そのまま言葉にして母さんに直接言い放った。
何度も、何度も。
母さんはそんな僕に向かっていつも言うのだ。
「残念! そんなバカから生まれた子もバカなんだよ、虎太郎さん」
ほんとうにめげない。笑い飛ばす。
僕は僕でイライラする。
なんてひどい悪循環。
この人の子どもでいる以上、僕の反抗期はずっと続くんだ。
絶対に終わらない。
そう確信したある日、僕は母さんの本心を知ってしまった。


