幸せだったあの時間に。 君の、小さくなった手を放して。 空いた手を、誰と構わず委ねて。 後悔して、君を探して。そして、君に出逢った。 未練たらたらな女って思われても、一途じゃないって思われても。 でも、わたしのあの時の想いは本物だったから。 最後にお願い。 もう、振り向かないで。 振り返らないで。 『影送り』。 きっとそれは――――君の遺した置手紙。 《影送り》*~fin~*