わたしも、ジッと公園に伸びた影に目を凝らす。



『ねぇ千夏、それって影送りって言うんだよ』


『影を見つめて、その後目を閉じるんだ』


『それから――――』



懐かしい声に、耳を傾ける。



『目を開けて、空を見上げるんだ』



夕陽で、オレンジ色に染まった空に、ほんの少し、君を見た気がした。



「ママ~何で泣いてるの?」


「・・・泣いてないよ、大丈夫」



そっと、溢れた涙を拭う。