「彼には逢えた?」



そっと視線を下ろすと、目の前にはあの青年の姿。


この人の持つ雰囲気に、しばらくの間目が離せなかった。



そっか、この人涼君に似てるんだね。



「僕が、彼に似てると思ったんでしょ?」



ズバリと言い当てられて、わたしは苦笑いを浮かべた。


太陽の位置は、さっきと全然変わっていない。


かなりの時間・・・彼に逢っていた気がしたのだけれど。



「そりゃそうだ。だって僕は――――」


――――もう一つの、彼が生きていた時の姿だからね。