彼の瞳に、呑まれそうになる。 そう思ったのは、いつ以来だろう? あの日以来・・・ずっと。 この感覚は味わってなかったはずだ。 「千夏、本当綺麗になったよね」 そう涼君がわたしの髪を触るから、心臓が音を立てた。 まだ伸ばしたままの、長い髪。 わたしの容姿は、きっともう20歳位だろう。 でも、涼君は違う。 まだ、あの日のまま。