ハンバーガーを食べ終え、いざ帰ろうと したら美海がそう言って俺を見上げてき た。 覚えてたのか……。 人の話、聞いてなさそうでちゃんと聞い てるんだよね、昔から。 優しいんだ、ほんとは。 まあ、意地悪さの方が何倍も上ですけど ね。 「じゃあちょっと本屋寄ってくわ」 「うん、すぐ戻ってきてね」 おー、と右手を挙げて返事をして、一直 線に新刊コーナーへ。 「……ん?」 すると、そこに見覚えのある姿を見つけ て、俺は首を傾げながら思わず声を漏ら した。 あれ、もしかして───……。