「……おかえり」 俺は少し微笑んで、そう言った。 美海が東京に戻ってこれたら、一番にい いたかった言葉。 そう言えば、美海が少し、笑った気がし た。 「岡田君、今日ちょっと機嫌いいね?」 次の日の放課後、部活前のストレッチを していると、武野さんがそう言いながら 、俺を覗きこんできた。 ストレッチは二人一組で、武野さんが自 ら俺とペアになってくれている。 「そう、かな……」 「うん!すごい嬉しそう!いいことあっ たのー?」 ニコニコしながらそう訊いてくる武野さ ん。 いいこと……。