視界がぼんやりする。 まだ頭の中がぐるぐると回っている。 「大丈夫?」 再び声が聞こえ、あたしの焦点が徐々に合う。 目の前には、心配そうに顔を歪める有希と正樹君、そして、その後ろに無表情の輝がいる。 有希や正樹君とは違い、輝は全く心配なんてしてないんだろう。 輝を視界に入れるのすら嫌で、あたしは有希と正樹君に向き直った。