「ねぇ、玲!!」 有希の声で我に返る。 しまった、考え事をしていて、完全に自分の世界に入り込んでいた。 「もう、玲は人の話全然聞いていないんだから!」 ぷんぷんと怒る有希。 そんな有希に、ごめんと慌てて謝った。 「仕方ないな、玲は」 そう言って、気を取り直したかのように笑う有希。 あたしも思わず有希に笑い返した。 サバサバしていて優しい有希。 同性として、本当に憧れてしまう。