救いを求めて血に濡れた手を窓の外に伸ばしたリリコの手は宙をかいた。 「どうせ、こないわ」 それでも脳裏をよぎった憎たらしい男の名を呼んだ。 「ミズキ」 そんなリリコの手が氷のように冷たい男の手に捕まる。 「ユエリ、呼んでないわよ。あたしはあんたなんか」 凍りついた髪から雫を滴らせ、隣の家の屋根伝いに二階のリリコの部屋に現れたユエリ。 ユエリの手を振りほどき、リリコが空を仰ぐ。 「月の出ない夜は不気味でキライ」 「だから、彼の名を?」 「夜は嫌いなの」 「彼がいないから?」