藍たちが乗る霊柩車は高速道路に入った。
伊勢千秋は静かに眠り、運転しているおじいさんは一定のスピードで車を走らせている。
一方の藍と竹内蛍は眠ることも出来ずボンヤリと窓の外を見ていた。
「……俺たち、これからどうなるんだろうな。」
「……さぁ。」
さすがの竹内蛍もこの状況には困惑しているみたいだ。
「俺、鬼道学園とか妖怪とかまだ信じらんねーんだけど。」
「世の中知らないことだらけだね。」
「知らないことと言えば。」
「なに?」
「人間が解明出来ている宇宙の構成物質って全体の約4%しかないんだぜ。すごいよな。宇宙って未知でいっぱいだ。」
どんな時でも竹内蛍の頭の中は宇宙でいっぱいのようだ。
藍は苦笑いして竹内蛍の話を聞き流す。
4%。
それでも、藍と竹内蛍が妖怪や鬼道学院について知っている割合よりは多いのではないかと思えた。
そしてそのまま、二人は眠り込んでしまった。


