「っていう、曰く付きの絵だから横にお札を貼ってるんだ。」
伊勢千秋は車の天井を指指してそう言った。
藍も天井を見上げる。
確かにぼやけた赤黒い絵と、お札が貼ってあった。
絵は桔梗の花が描かれていたかどうかも分からないほどに黒い。
「この霊柩車もそうだよ。宮型霊柩車に憧れて家族四人で乗れるように改造した外国人が、この車に乗る前に死んでしまった。だから鬼道学園がこの車を使い常に点検してるわけ。」
「改造?」
「宮型霊柩車で四人も乗れるのは少ないからね。」
「へぇ。」
一応頷いてはおいたが藍には伊勢千秋が言うことがいまいち分からなかった。


