そういえば、と藍は口を開く。
「じゃあ、天音さんが言っていた鬼道学園っていうのは?」
『実在しない。ネットで調べても該当サイトなし。』
「秘密にされてるとか?」
『現代の情報社会で秘密になんかできるのか?』
「ねぇ。」
『何。』
「天音さんも、偽名?」
『いや。姉ちゃんは本名。』
「え?」
『けっこうあの人矛盾してるんだよ。』
じゃあな、と言うと竹内蛍は電話を切った。
結局あの人は何の用事だったのだろう。
藍は顔を上げる。
テレビではすでに番組が切り替わり料理番組をやっていた。
分かったことは一つ。
竹内家は、変人が多いらしい。


