不滅の妖怪を御存じ?






あれは、どこだ?

空中で周囲を見た時。
ブワッと、辺りの草木が枯れ死んだ。
同時に。


「ググググァーッ!」


耳をつんざくような悲鳴。
少年の身体は地面に叩きつけられる。

腰が焼けるように痛い。
骨を何本か折ったか。

ゴロッ、ドシャッと大きな音がする。
ひゅー、ひゅー、と息も絶え絶えの音。

霞む視界で顔を上げる。


「あ……」


それは死にかけていた。

どす黒く変色した身体に何本もの昆虫のもののような足。
ぐったりと地面に伏す。

その身体には、先程少年が放った矢が刺さっている。


「………グ」


小さなその吐息と共に、それは息絶えた。

少年も、自分自身の命も長くないなと悟った。

その時。
身体が燃えるように熱くなった。


「………っ!」


悲鳴すらあげられない。
ガリガリと身体の内側を引っ掻かれる。
ものすごい力で手足を押さえつけられる。

キーンッという耳鳴り。

痛い、痛い。
叫ぼうにも、口が動かせない。
まばたきさえも自由にできなかった。