『鬼道学園の無能さが今回のことでよく分かりました。』
鬼道学園?
無能?
わけのわからない言葉の羅列に藍は首を傾げる。
鬼道学園。
聞いたこともない。
テレビでも報道陣が再びざわつく気配がした。
こんなの、ただの竹内天音の世迷言だと笑ってしまえばいい。
藍も、テレビを見ていた人も、報道陣もそう思っただろう。
妖怪、そんなものを信じているのかと笑ってしまえばいい。
だけど、誰もそんなことは出来なかった。
冗談として受け流せないほどに、竹内天音の淡々とした声は真剣さがあった。
藍がテレビに釘付けになっていると、電話が鳴った。
相手は今大変な状況であろう竹内蛍からだった。
「もしもし。」
受話器を取るとすぐに竹内蛍の焦ったような声が聞こえた。
『藍、お前今テレビ見てる?』
「見てるよ。」
実の姉が出ているのだから竹内蛍ももちろん見ているのだろう。


