「貴様ら人間は、消えていった命をどう償うつもりだ。死ぬべきだ。死ぬべき。人は罪を償い、命でもって謝るべきだ」
蛍は確かに自然の偉大さを理解していた。
けれども、静かに怒る九木に対して語る言葉は持っていなかった。
彼は難しいことはあまり考えられない、ただの宇宙好きの少年であったのだ。
だから、九木の怨念のような思いを聞いたとしても、彼が思うことは一つだけだった。
死にたくはないなぁ、と。
それだけの、感想だった。
その結果、最悪なことが起こる。
「なんとかなりますって。また新しい命が生まれますよ」
怒った人の宥め方もよく知らない。
空気を読むことがうまく出来ない。
そんな少年、蛍は、軽率に九木の地雷を踏み抜いた。


