不滅の妖怪を御存じ?







「一つ、言っておく。」


どこか不満気な空気に、弓月の言葉が染み渡る。


「いずれ必ず、九木は牛木である壱与を超える。」


そうなったら。
もし、そうなったらアテルイの呪いも、もう九木の前では意味を持たなくなるだろう。


「その日の前に、九木を殺さなければならん。だからこそ壱与が必要なんじゃ。」


言い切ると、九木はふいと後ろを向く。
バサリと羽を広げる。
どこへ行くつもりか聞く者はいなかった。

ふわりと移動し、弓月は急降下した。

後に残った天狗たちの間にあるのは重苦しい沈黙だけ。
数秒後。
一人の天狗が慌てたように立ち上がる。

バサリと羽を広げ、ドタドタと走り出す。
勢いをつけて風に乗り、かの天狗は弓月の後を追い急降下した。