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竹内蛍が自由奔放で他人の都合など全く考えない人だということは前々から分かっていた。
協調性はないし藍以外のクラスメイトとまともに話しているのを見たことがない。
悪いやつではない。
だけど付き合いづらいやつではある。
現に今藍も目の前でニコニコ笑う竹内蛍をどう対処しようか思案中なのだ。
「なぁ、藍、スライム作ろうぜ。」
「断る。」
竹内蛍の両手にはプラスチックのコップと何やら得体の知れない物体。
いや、一応「ホウ砂」と表記されている。
「小さい頃さ、よくスライムで遊んだんだよ。懐かしいよな。」
「残念だけど私は一度もスライムで遊んだことないから。」
「遊んでみろって!すっごく楽しいぞ。」
そのまま竹内蛍のペースに乗せられてしまった。
藍は隠しもせずにため息をついた。


