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声にならない悲鳴を上げ、有明が牢の奥へ走って逃げていった。
藍は有明の怯えっぷりに驚き何があったのかと奥で丸くなっている有明に問いかけた。
茶色いふわふわの髪を振り乱し有明が叫ぶ。
「来たんだよ!」
来た?と藍が疑問に思った瞬間。
牢の外から、小さな足音が聞こえた。
ペタペタと。
裸足で石の上を歩く音。
じめっとした嫌な空気が流れ込んでくる。
思わずバッと藍は振り返る。
同時にペタペタという足音も止まった。
そこに立っていたのは。
「……子供?」
Tシャツと短パンを身にまとった男の子だった。
歳は七歳か八歳頃だろう。
クリクリの黒い目にツンツンとした黒髪。
有明のヒイッという悲鳴が聞こえる。
見た目はどこにでもいる小学生男子なのに、何をそんなに怯えているのだろう。
藍がじっと見つめていると、その男の子はコテンと首を傾げた。
かわいい。


