「そもそもな、妖怪は自然界から生まれた。海とか森とか空から。妖力っつーのもぶっちゃけ自然界の力を借りてるようなものだ。」 ぶんぶんと手を振り回しながら有明は説明してくれる。 「つまりな、森が消滅すれば森の怪は死ぬ。環境が破壊されて大きく変われば妖怪は一人残らず死ぬんだよ。」 「九木も?」 「勿論。」 「壱与も?」 「そうだな。」 妖怪の最高峰たちも自然界が壊れれば死んでしまうのか。 なんだか不思議だ。 考え込む藍を有明はじっと見つめていた。