じっと静かな時間が続く。 「牢の鍵は、母さんと太陽が持ってる。」 ぼそりと、有明が呟いた。 「太陽?」 「一番上の兄貴。」 ふいと有明が顔を上に向けた。 フワフワの茶色い髪の下から、彼の目が見えた。 凛とした、穏やかな目。 「兄貴が来たら、鍵を開けようぜ。」 ニヤリと笑った有明。 ようやくいつもの憎たらしい彼が戻ってきたようだ。 あぁ、よかったと胸を撫で下ろす。 そうして、藍も笑い返した。