あまりの展開に呆然とした藍が目の端に映る。 こんなボーッとした顔して、持ってるもんは人並外れてるとか。 溜息をつきたくなる。 振り返り桜は千秋の背中に声をかけた。 「千秋。」 「……分かってる。」 苦々しげに呟く千秋。 佳那子は飛び跳ね藍に抱きついている。 「彼女は本物だ。」 妖怪が見える少女。 アテルイの末裔。 果たして彼女の存在が吉と出るか凶と出るか。 それはまだ誰にも分からない。