僅かな興奮と僅かな恐怖を抱えながら、僕はユリヤさんの姿を求める。


「ユリヤさん!」


 施設内を走り回り、白衣を着たブロンドの後ろ姿を見つけた。


「ミランくん、どうしたの?」

「あのっ…………R-7ロケットの完成おめでとうございます!」


 本当は、そんなことを言いたいわけじゃないのに、出てきたのはそんな無難な言葉だった。


「ありがとう」