二匹を連れて出たはずの僕は、一人で宇宙開発局に帰ってきてしまった。
二匹のスペースが空いた飼育室に、二匹は帰らない。
また次の住人が拾われてくるまで、ずっと空白だ。
デジクとリサという存在が埋めていた穴は、もう塞がらない。
重い足取りで、いつもの通り飼育室に作業着姿で行く。
先に来ていたトラスキンさんが僕を振り返り、
「おはよう」
と、いつもと変わらない挨拶をかけてくる。
「おはよう、ございます……」
挨拶を返す声に元気がでない。
きゃんきゃんわんわんばうばうぎゃんぎゃん
犬たちの鳴き声が響く飼育室の中で、僕は半ば茫然と立ち尽くす。
この鳴き声の中にも、デジクとリサはいない。
「今日も一日、頑張ろうな」
デジクとリサのことがトラスキンさんの耳に入っていないわけがない。
彼は軽く僕の肩をたたいて、少し鼻をすすった。
その優しさが、しみる。
二匹のスペースが空いた飼育室に、二匹は帰らない。
また次の住人が拾われてくるまで、ずっと空白だ。
デジクとリサという存在が埋めていた穴は、もう塞がらない。
重い足取りで、いつもの通り飼育室に作業着姿で行く。
先に来ていたトラスキンさんが僕を振り返り、
「おはよう」
と、いつもと変わらない挨拶をかけてくる。
「おはよう、ございます……」
挨拶を返す声に元気がでない。
きゃんきゃんわんわんばうばうぎゃんぎゃん
犬たちの鳴き声が響く飼育室の中で、僕は半ば茫然と立ち尽くす。
この鳴き声の中にも、デジクとリサはいない。
「今日も一日、頑張ろうな」
デジクとリサのことがトラスキンさんの耳に入っていないわけがない。
彼は軽く僕の肩をたたいて、少し鼻をすすった。
その優しさが、しみる。