「くるわよね?」 「もちろん!」 僕が大きく頷いた時、背後から声が聞こえた。 「これ、チェルノコフさんからもらってきた」 振り返ると、注射器と水の入ったビンを手にしたトラスキンさんが立っていた。 「トラスキンさん……」 なぜか、とても心強く感じる。 「さ、見つからないうちに早く行こう」 「はい」 僕たちは、走り出した。 こんなことをしても、ただの自己満足にしかならないのかもしれない。 けれど、僕らは彼女の元に走って行く。 彼女ためになにかをしてあげたかった。