相手は寧音のお母さん…。



「産まれる!!」

「マジですか!?」

「産まれたらまた連絡するから!!」

「ちょっとまっ…。」



今から帰りますから産ませないでください…。



切れた電話をしまって飛行機に乗った。



早く寧音のそばに行きたい…。



「琉伊…。俺パパ?」

「数時間後にな?」

「マジ大丈夫かな…。」



蒼斗を産んだ時の亜香里の顔を思い出した。



長い飛行機時間…。



やべぇ…。



早く日本に着け…。



「後何時間ですか?」

「2時間半で到着予定です。」



今まで生きて来て1番長く感じた1秒…。



やっとついた日本はもう夜だった。



蓮司に電話をかけても出ない…。



亜香里もヒロもお父さんもお母さんも誰も出ない…。



「は!?俺…今日本…。日向と病院向かうから!!」



琉伊が焦ってる…。



まさか…。



「桜が…。産まれる…。」

「寧音の事何か言ってたか!?」

「いや…。桜の事だけ…。」

「早く行くぞ!!」



今からパパになる俺達はタクシーで病院まで向かった。