気になるのは一歌の気持ちだ。 この想いが成就する可能性は限りなく小さい。 けれど――。 頭では分かっていても、残り少ない希望にすがろうとする自分がいる。 キスをしたとき、告白をしたとき、一歌は拒まなかった。 1度目は不意を突かれて動けなかったにしても、2度目は拒絶しようと思えばできたはずだ。 それなのに、静かに俺を受け入れた。 少なくとも、俺にはそう感じられた。 けど、それがどういうことなのか直接一歌に確かめられるほど、自信があるわけじゃない。