いきなりキスなんかして、一歌はどう思っただろう。 今朝、勢いでとはいえ、ずっと触りたかった唇に触れた。 けど気持ちが高揚したのは一瞬だけで、すぐ我に返った。 呆気に取られたまま硬直していた一歌の顔が、脳裏に焼き付いている。 キスの感触なんか全然覚えてない。 ただ、やってしまったという後ろめたさだけが、ずしりと身体にのしかかっている。