*正しい思春期の切愛理由*



いらつきながらも部屋に戻れば机に向かう。


最近塾なんかに行き始めたせいで、課題が山ほどあった。


高校受験なんてめんどくせえ。


けれど、どういうわけか、勉強自体はそんなに嫌いじゃない。
多分、性に合ってる。

1人で黙々と何かに打ち込んでいると、いつの間にか時間が経ってることが多い。


机にテキストをならべて、集中するためにヘッドフォンを耳に当てた。
邦楽は歌詞が邪魔になるから、かける曲はたいてい海外のロック。

自分では買わないから、だいたいが友達に借りたやつだった。

外国語の歌詞なんてわからなくていい。
聴くんじゃなくて、流すだけだ。


耳元に大音響が響くと、どういうわけか余計な情報が入ってこないで、目の前のノートに集中できる。


はず、

なのに――