「後でジュース持ってってあげるね」 微笑みながら一歌が台所に消えると、友達は興奮したように俺の肩を叩いた。 「お前の姉ちゃんすっげカワイイじゃん!」 その一瞬で湧き起こった感情は、誇らしさでも恥ずかしさでもなく、 体内から心臓を引っ張られたような、ヒヤッとした気持ち。 焦り。 不安。