中学2年、8月――。



「沢井…君。…付き合ってください」



突如目の前に現れて、いきなり浴びせられた言葉。



唐突に起こった出来事に、俺はぽかんと正面の女子を見つめてしまった。

肩下までの真っ黒い髪が艶やかに光り、まん丸の大きな目が睨みつけるように俺を見上げてる。 



「……は?」



今日は夏休みの真ん中にある登校日で、空っぽの鞄を提げながら通学している途中だった。

そんな路上で突然の告白。


喜びよりも先に戸惑いがやってきた。


何故なら、目の前に立ち塞がっている女子が、同じクラスの北原鈴花(きたはら すずか)だったからだ。