一歌の方も、医者狙いで医療事務をやっていたなどと悪意のある噂を流されたりしているらしい。
けど、そんな噂話なんてもう痛くもかゆくもない。
俺たちは自分の道を歩いて、そして出会ったのだから。
注目され、後に引けなくなった一歌が、ちらりとこちらに視線をよこした。
助けてよ。
そんな訴えが読み取れたけど、あえて無視をする。
ちょっとした意地悪だ。
ドレスで着飾った彼女の困り顔に、つい笑みがこぼれてしまう。
「おー、何ニヤけてんだよ瑞貴、やらしー」
酔っ払った安西が太い腕で肩を組んできた。
と、マイクに一歌の声が入る。


