「けど杉本先生も沢井さんに求婚してたんでしょ? やっぱすごい度胸だよ瑞貴」
ナイスファイトと爽やかに言い、南沢も俺の肩を叩いた。
医局では研修医による略奪愛だとまことしやかに囁かれているらしい。
その程度の噂話なんて可愛いもんだけど。
姉弟じゃないというだけで、俺たちは多くの人間に祝福されている。
その中身はまるで変わってないのに。
人間なんて、現金なもんだ。
「一歌さん、瑞貴くんに惹かれた理由はなんですか?」
司会者の言葉に、周囲の連中が一斉にはやし立てる。
突然のプロポーズにもかかわらず、一歌は臆することなくイエスと答えた。
その理由をみんな知りたがっているのだ。


