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杉本先生の『運命の君』に公衆の面前でプロポーズした俺は、
看護師からは英雄、医者からは命知らずの称号を与えられた。
「信じらんねぇ……」
「……俺もだよ」
東谷のつぶやきについ同調してしまうと、
「何言ってんだよ当事者のくせにー」
シャンパングラスを手にした安西に、タキシードの肩を叩かれた。
お堅い先生方が帰ったあとの2次会は、若者だけでの気楽なパーティだ。
「まーあれだけ美人なら声をかけたくなるのも分かるけどよ。しかし初対面でプロポーズまではさすがになぁ……。もはや伝説だな」
東谷の視線の先には水色のカラードレスに身を包んだ一歌の姿があった。
彼女は水瀬エリカとその妹のユリと一緒に写真を撮っている。


