そう呼ばれて、そう思いこんで。 「ねーえ、どこ行く途中なの?」 バイクが近くで停まって、乗っていた女が降りて話しかけてくる。 バイク乗り回しているだけのレディースくらいならあしらえる自信がある。 「…渦見?」 「螢?」 足が止まる。何故、ここで。 「へえ、帰ってきたの? やっばーい、運命じゃない? あたしたちって、やっぱさあ」 どろりとした話し方が鼻につく。 そんなだから男に棄てられるんだ。 後ろから何人かのバイクが停まる音。 最悪。 「最高じゃん、良かったあ会えて」 「は?」