サンドリヨンは微笑まない


固まっていると、遼が何かを言った。

何? と顔を近づける。


「嫌な夢、見た」

「…うん」


仄かに香るシャネルの香水。

これ、女物のだ。

もしかして、のぞみさん?

なんて勝手に推測を立ててしまうあたしの思考をなんとかしたい。

頭の中、遼とのぞみさんで一杯だ。一度記憶すすっからかんに戻したい…!


「遼、兎に角お風呂に入ろう」

「あー…そうする」

「うん」


ふらふらとお風呂場へと立った遼が首を傾げる。


「それ、なに?」

「タライ」

「へえ」


呆れずに行った。