音愛はゆっくり目を開けた。 「良かったです。良かった……………」 山南は音愛を抱き締めた。音愛はきょとんとしてしまっていた。 「………すいません」 そう言って離してくれるまではすごく長く感じた。 「もう痛みませんか?」 「大丈夫ですよ。ありがとうございます」 良かった。その声は風の音に吹き消された。音愛はまたひとつ歴史を変えたのだ。 でも音愛は嬉しくて忘れていた。沖田の病の事を。