「柚希ー?マリ……」
……っと、寝てたのか。
ドアを開けて真っ先に目に写ったふたりの姿に、反射的に口をつぐむ。
ソファーの上で、気持ちよさそうに眠るマリア。
その横で、ソファーの上に組んだ腕に頭を乗せて、同じように寝息を立てる柚希がいた。
テーブルに借りてきたDVDを置き、コートを脱ぐ。
けっこう待たせちゃったし、マリアはもともと早寝体質だからな……。
似たような寝顔を見せるふたり。けど、格好は全然違って。
マリアには柚希が着ていたコートに、マフラーまでかかっている。なのに、柚希本人は服一枚で。
「……自分自身も守ってって言ったでしょ」
見てるこっちが寒くなるんだけど。
脱いだばかりのコートを、柚希にかける。
……まぁ、こうやって、自分よりも周りを優先しちゃうところは柚希らしいけど。
テーブルの上にあったはずのコップも、いない間に洗ってあるし。
……ほんと、なんだかなぁ……。
「……ありがとう」
眠る柚希の髪を撫でながら、囁くように言葉を落とす。
すると、『んー』と、甘えたような声が返ってきた。
……あぁ、無意識って怖い。


