これだけは譲らないと言わんばかりにじーっと見つめるマリアちゃんに、さすがに折れた山田くんは、ひとつため息をこぼすと立ち上がった。
「……じゃあ、DVD借りてくるからその間にちゃんと宿題やっときなよ」
「はぁーいっ♪やった♪」
さすがの山田くんも、マリアちゃんには弱いみたい。
山田くん本人は、きっと甘やかしすぎはよくないって思ってても、ついつい甘やかしちゃうんだろうけど。
……って、山田くん外行っちゃうの?
そう自覚したら、急激にすっと、体中の熱が下がった。
いや、そりゃちょっとDVD借りに行くだけだし。
30分もしないで帰ってくるだろうけど。
……さみしい、とか。
あたしって、もしかして案外さみしがり屋だったりするのか?
え、そうなのか柚希。
自問しながら、玄関まで山田くんをお見送り。
山田くんは呆れたように笑いながら、『別にいいのに』って言ってたけど。
お、女心だよ山田くん!!
「……ふたりだけになっちゃうけど、よろしくね」
「うん!マリアちゃんはあたしが守ります!」
「……いや、そんな守らなきゃいけないような事態になってほしくない」
相変わらず、ツッコミが絶好調の山田くん。
あはっと笑うあたしに、山田くんはチラリと視線を向けると、
「……ていうか、あんたも絶対自分自身守ってよ」
「……へ?」
「……まぁ、もしそうなったらだけど」
「……っ。は、はいっ!絶対、死にません!山田くん悲しませたくないので!」
「……うるさいな。いちいち声に出さなくていいからそういうこと」
……へへっ。


