昔の自分に喝を入れたい気分に浸っていると、キッチンの方から山田くんの声が飛ぶ。
「マリア、ココアとジュースどっちがいいー?」
と、それに答えるようにマリアちゃんも弾んだ声を上げる。
「ココアーあ!」
「んー。柚希はー?」
「あ、あたしはジュー……」
……って、はぁっ!!
呑気に返事してる場合じゃないよ柚希!!
マリアちゃんに一声かけて立ち上がり、急いでキッチンへ向かう。
彼氏の家にお邪魔してる身分で、全部やらせるなんてなんてダメダメな彼女なの……!
「や、山田くん!あたしも手伝う!」
突然大きな声で申し出たからか、山田くんは少し肩を揺らしてこちらを見た。
「え、あ、ありがとう。……ていうか、なんでそんな迫力満天な顔してるの?」
「えっ!?き、気のせいじゃないかな!?うんっ!」
「……?そう?」
「そっ、そうそう!」
「ふぅん……。あ、柚希、そこのコップ取って」
「このウサギの絵のやつ?」
「そう」
「はぁーい」
へへっ。なんだか新婚さんみたい。
勝手な妄想に胸が踊る。
このコップ、マリアちゃんのかな?カワイイーっ。


