というか、ここでノリノリで山田くんにお願いを聞き入れられたら、それはそれで怖い。
肩を落とすあたしを特に気に留める様子もなく、膝の上のアンゴラくんや周りに集まった他の動物たちとじゃれ始めてしまった山田くん。
「……あっ」
そうだ。いいこと思いついた♪
にやり。不敵に笑ったあたしは、近くに寄ってきた柴犬の子犬の頭を撫でてる山田くんに向き合う。
……や、ヤバいぞ。またおいしそうなツーショットが……っ。
その微笑ましい光景にキュンキュンしつつも、先ほどと同じように親方を抱き上げ、両手を持つ。
「山田くん!」
「……ん?」
「……もっ、もっとかまってにゃ~ん」
こちらを向いてくれた山田くんに、にゃんにゃん、と呟きながら、リズムに合わせて親方の両手を動かす。
言ってる途中で今自分がしていることがどれだけ恥ずかしいことか段々と理解し始め、その証拠に、語尾に行くにつれ声が小さくなってしまった。
は、恥ずかしくて山田くんの顔が見れない……っ!
つい勢いで本音を言ってしまったが、最初はもちろん冗談のつもりだったし、セリフも『山田くん大好き』のはずだったのだ。
なんでこうもムダに正直なんだあたしの口ーーーっ!
なにも言わない山田くんと、なにも言えないあたしが作る沈黙がなんとも痛くて。
あたしの心臓は、今さらながら後悔と緊張でドキドキと音を鳴らし出す。
うぅ……っ。や、山田くん、なにかしゃべってー!


