あたしより一歩ほど後ろにいた山田くんは、あたしの隣まで来ると腰を曲げて身を屈めた。
店内を見て、あたし似の動物を選んでいる山田くんの横顔に見惚れる。
はっあー、かっこええぇ~……。
初デートだからか、クリスマスだからか。
つい気持ちが高ぶって、ムギュッと抱きついてしまいそうになる。
実際にそれしたら、山田くんの雷が落ちそうだから自制するけど。
イルミネーションより雪より、あなたが一番輝いてます!なんちって~♪
「あれ」
「……へっ?」
「あれ、似てる」
すっかり自分の世界に入っていたあたしは、山田くんの声により無事現実へと帰還。
ある一点を指差す山田くんの視線の先へと目を向ける。


